ウズベキスタンの通貨(SUM)とは?
ウズベキスタンの通貨「スム」(SUM、ウズベク語で“ラテン文字ではsoʻm/キリル文字ではсўм”)は、ウズベキスタン共和国の公式通貨です。スムは、ウズベキスタンがソビエト連邦からの独立を果たした後の1993年に導入され、それ以前のソビエト・ルーブルに代わってこの国の正式な通貨として使用されるようになりました。Google先生に聞いたところ2023年9月26日現在1スムが0.012円でした。スムに0.012をかけると日本円となりますね。スムを現金で持つと沢山の紙幣を持つことになります。
通貨コード
ウズベキスタンスムのISO 4217に基づく通貨コードは「UZS」です。
通貨の歴史
ウズベキスタンがソビエト連邦の一部であった時期、ソビエト・ルーブルが使用されていました。ウズベキスタンは1991年にソビエト連邦から独立。その後、新しい国家通貨としてスムを導入することを計画しました。1993年ウズベキスタンはソビエト・ルーブルから独自の通貨、ウズベキスタンスムに切り替えました。当初導入されたスムは高額のデノミネーションを持っていましたが、インフレの影響によりその価値は次第に下落していきました。2000年代にはインフレがさらに進行し、新しいスム紙幣や硬貨が発行されました。これにより、デノミネーションの考慮が繰り返し行われました。近年ではウズベキスタンの経済は成長を続け、通貨の安定性も向上してきています。ただし、為替レートや価値は変動するため、最新の情報は公式な情報源や金融機関で確認することが重要です。
紙幣と通貨デザイン
紙幣や硬貨のデザインは、ウズベキスタンの歴史的、文化的背景を取り入れたものが多く見られます。例えば、国の歴史的な建造物、有名な人物、伝統的なアートモチーフなどが描かれています。
近年変動制となった通貨
ウズベキスタンは長らく為替レートの固定制を採用していましたが、経済の開放とリフォームを進める中で、2017年に変動制へと移行しました。それ以前は、公式の為替レートと非公式の市場レートとの間に大きな乖離が存在していました。この自由化により、スムは急激に下落しましたが、変動制の導入はウズベキスタン経済の大きな転換点となり、国際経済との統合や経済の近代化を進めるための重要なステップとして評価されています。
固定制の背景
ウズベキスタンは独立後、安定した為替レートを維持することを目指して固定為替レート制を採用していました。これは経済の安定を図るための措置として採られましたが、一方で外国との取引や外資の流入を制限する結果となりました。
2017年の変動制移行
2017年9月に、ウズベキスタン政府は為替レートの自由化を宣言し、変動為替レート制への移行を発表しました。この移行は、経済の近代化と国際的な経済との統合を目指す一環として行われました。
結果と影響
自由化の結果、スムは当初は大幅に下落しましたが、その後、為替レートは比較的安定しています。変動制の導入は外国からの投資の増加や国際的な取引の活性化に貢献しています。
現在の管理
ウズベキスタンの中央銀行は、必要に応じて為替レートを安定させるための介入を行っています。ただし、基本的には市場原理に基づいた為替レートが形成されるようになっています。
各種紙幣と硬貨の紹介
現在のところ発行されている一般的なウズベキスタンスムの紙幣と硬貨について以下の通り紹介します。
200,000スム紙幣
こちらが200,000スム紙幣です。こちらが現在のウズベキスタンで最大単位の通貨となっております。2022年に発行されました。比較的新しいですね。表面はフェルガナ地方コーカンドのフダヤルハン宮殿、ウズベキスタンの地図上のキャラバンルート、ウズベキスタンの国章がデザインされており、裏面には古代フェルガナ州のアクシケントの古代考古学的記念碑、要素としてのザクロ、双頭の蛇と陶器のボウルがデザインされています。サイズは152×69mmです。
Google先生に聞いたところ、200,000スム=2,441.89円(9月26日11:49UTC)でした。単位は大きいのですが、実は円換算すると大きくはありません。
100,000スム紙幣
こちらが100,000スム紙幣です。2021年に発行されました。表面のデザインはホラズム州のヒヴァにあるイチャン・カラ博物館、ウズベキスタンの地図上のキャラバンルート、ウズベキスタンの国章が描かれている。裏面にはホラズム州のアンカカルア考古学屋ヨドゴルリギ要塞、紀元前1世紀の銀貨、ホラズム産の10世紀の陶器などが描かれている。サイズは152×69mmです。
50,000スム紙幣
これが50,000スム紙幣です。2021年に発行されました。表面にはスルソンダリョのアル・ハキム・アット・テルミジ廟、ウズベキスタンの地図上のキャラバンルート。ウズベキスタンの国章がデザインされており、裏面にはスルハンダリヤ州の古代考古学記念碑、緑の中で飛ぶ鳩、ソポリテパの17世紀の陶器がデザインされています。サイズは147×69mmです。
20,000スム紙幣
これが20,000スム紙幣です。2021年に発行されました。表面には考古学記念碑、ウズベキスタン地図上のキャラバンルート、繊維パターン、ウズベキスタンの国章がデザインされており、裏面にはアラル海とカスピ海で作られた6世紀の陶器、刺繍デザインが描かれています。サイズは147×69mmです。
10,000スム紙幣
これが10,000スム紙幣です。2021年に発行されました。表面にはグレートシルク ロード、コカルドシュ・マドラサがデザインされており、裏面には紀元前1世紀にまで遡るタシケント領土内最古のショシュテパ遺跡、タシケントの10~12世紀古代陶器、10世紀の家庭用品がデザインされています。サイズは147×69mmです。
5,000スム紙幣
これが5,000スム紙幣です。2021年に発行されました。1619年から1635年に建設されたサマルカンドのシェルドルマドラサ遺跡がデザインされており、裏面には紀元前8~5世紀のアフラシヤブ遺跡、そしてアフラシヤブ遺跡で見つかった10世紀の陶器の水差しと浮き彫りの陶器のボウルがデザインされています。サイズは142×69mmです。
2,000スム紙幣
これが2,000スム紙幣です。2021年に発行されました。表面にはブハラアーチ、ウズベキスタンの地図上のキャラバンルート、ホンアトラスの織物パターン、ウズベキスタンの国章がデザインされており、裏面には古代キャラバンルートのヴァラーシャ遺跡、土鍋と工芸品、ラクダがデザインさてています。サイズは142×69mmです。
1,000スム紙幣
これが1,000スム紙幣です。2001年に発行されました。表面ウズベキスタンの国章、国家装飾品がデザインされており、裏面にはタシケントのアミール・ティムール博物館がデザインされています。サイズは144×77mmです。上記までの通貨と違って、こちらは新しく発行されていないことが分かるかと思います。これは2022年から1,000スムは硬貨として発行されているからです。したがって、紙幣の紹介は1,000スム紙幣までとさせて頂きます(これより下の紙幣は一般的に使用されることが無いため)Google先生に聞いたところ、1,000スムは12.20円(9月26日 14:18 UTC)でした。
1,000、500、200、100スム硬貨
1,000スム硬貨
非流通の記念硬貨を除けば、流通通貨の最大単位の硬貨がこちらの1,000スム硬貨となります。こちらは2022年に発行されました。表面には国章が描かれており、裏面にはタシケントのイスラム文明の中心地が描かれています。
構成 | ニッケルメッキ鋼、中心部は銅 |
---|---|
重さ | 7.3g |
直径 | 26.27mm |
厚さ | 1.6mm |
形 | ラウンド |
技術 | フライス加工 |
500スム硬貨
これは500スム硬貨となります。2018年に発行されました。表面には1,000スム硬貨同様に国章が描かれており、裏面にはタシケントのコンベンションの宮殿が描かれています。
構成 | ニッケルメッキ鋼 |
---|---|
重さ | 3.9g |
直径 | 24mm |
厚さ | 1.1mm |
形 | ラウンド |
技術 | フライス加工 |
200スム硬貨
これは200スム硬貨となります。2018年に発行されました。表面には1,000スム硬貨や500スム硬貨と同様に国章が描かれており、裏面にはサマルカンドのレギスタン広場にある3つのイスラム教学校の1つであるシェルドールマドラサのアーチ道にある日の出模様の虎が描かれています。
構成 | ニッケルメッキ鋼 |
---|---|
重さ | 3.3g |
直径 | 22mm |
厚さ | 1.1mm |
形 | ラウンド |
技術 | フライス加工 |
100スム硬貨
これは100スム硬貨となります。2018年に発行されました。表面には1,000スム硬貨や500スム硬貨や200スム硬貨と同様に国章が描かれており、裏面にはタシケントの独立記念碑が描かれています。
構成 | ニッケルメッキ鋼 |
---|---|
重さ | 2.5g |
直径 | 20mm |
厚さ | 1mm |
形 | ラウンド |
技術 | フライス加工 |
50スム硬貨
これは50スム硬貨となります。2018年に発行されました。表面には1,000スム硬貨や500スム硬貨や200スム硬貨や100スム硬貨と同様に国章が描かれており、裏面には特に独自のこだわりを持ったデザインはなく、簡単な装飾に大きく額面が刻まれています。Google先生に聞いたところ、50スムは0.61円(9月26日14:58 UTC)とのことで。1円にも満たないぐらいの価値となっております。これより小さい流通通貨は2000年以降発行されておらず、使われてもいないので、今回紹介させて頂くウズベキスタン通貨の最小単位はこちらの50スム硬貨とさせて頂きます。
現地における通貨スムの役割
スムはウズベキスタン共和国の主要な流通通貨として使用されています。国の経済、商業、取引などのあらゆる側面での取引に使用され、ウズベキスタンの経済的アイデンティティの一部として機能しています。
独立の象徴
ウズベキスタンは1991年にソビエト連邦から独立しました。その後、1993年に独自の通貨としてスムを導入しました。国としてのアイデンティティや主権を強化するためにスムの紙幣や硬貨には、ウズベキスタンの歴史や文化を反映したデザインが採用されています。
経済政策のツール
ウズベキスタンの中央銀行は、通貨スムを使って国の金融政策や為替レート政策を管理しています。これにより、インフレのコントロールや経済の安定を図ることができます。
経済の開放と変革
近年、ウズベキスタンは経済の改革と開放を進めており、これに伴い、通貨の為替レートや取引政策も変わってきました。スムの為替レートは、これらの経済政策の一部として重要な役割を果たしており、ウズベキスタンにとって、通貨スムはただの取引ツール以上の意味を持っています。
日本人旅行者がウズベキスタンスムを手にするには?
日本人旅行者がウズベキスタンの通貨、スムを入手するには為替レートや取引手数料は提供者ごとに異なるため、最も有利なレートや条件を得るためには事前に調査や比較が必要です。
空港の為替カウンター
まず第一に利用者が多いのが、ウズベキスタンの主要な空港、例えばタシュケント国際空港などに到着した際に、他国の通貨をウズベキスタンスムに換金することができます。空港で日本円に両替することも出来、対応する銀行なども近年増えてきました。しかし、レートが良くはありません。そのため、日本で日本円をドルに先に換金しておくことをおすすめします。その方がお得です。
現地の銀行
ウズベキスタンの都市部にある多くの銀行では、外国為替の取引が可能です。日本円を持参して、現地の銀行でウズベキスタンスムに換金することが可能です。しかし、まだ日本円に対応していない銀行もあります。また、先述の通り、日本円よりは日本で先にドルに換金しておいた方が良いです。現地ではドル→スムの換金を行いましょう。
ATM
ウズベキスタンの都市部には、国際カードが利用できるATMも増えてきています。自分のクレジットカードやデビットカードが国際対応していれば、ATMから直接ウズベキスタンスムを引き出すことができる場合があります。JCBはいりません。なるべくVISAやマスターカードを持参しましょう。JCBなどほぼ日本国内でしか使えません。
ホテルの為替サービス
一部のホテルでは、宿泊客向けに為替サービスを提供していることがあります。しかし、レートが少し不利になることがあるため、他のオプションと比較することをおすすめします。
ウズベキスタンの通貨スムの特徴は?
ウズベキスタンの通貨、スムの主な特徴を以下にまとめます。
国際的通貨では無い
スムはウズベキスタンの国内通貨として使用されており、主に国内での取引や支払いに用いられます。国際的な取引や投資の際には、主要な通貨(例::USドルやユーロ)が用いられることが一般的です。
高額紙幣
インフレの影響を受けて、ウズベキスタン通貨のスムの額面が高くなってきました。そのため、非常に高額の紙幣が市場に出回っています。
ドルに対して変動
スムは、過去数年間でアメリカドルに対して通貨の価値が変動してきました。その原因としては、ウズベキスタンの経済政策、地域的な要因、グローバルな通貨動向などが考えられます。
為替規制の緩和
近年、ウズベキスタンは経済の開放を進める中で為替規制も緩和しています。これにより、外国為替の取引が比較的容易になってきました。
最後に
ウズベキスタンの通貨スム(SUM)について記事を書かせて頂きましたがいかがでしたか?紙幣や硬貨の紹介。そして特徴などを紹介、解説させて頂きました。私がいつもウズベキスタンに行って通貨に対して感じることとしては、毎回現金化するとすごい札束になるということです。少しお金持ちになった気分になりますね。都市部で無い場合は現金を使用することも多いので、ぜひ現地に訪れる場合には体感してみてください。こちらでは、この記事以外にもウズベキスタンの観光に関する記事や、ウズベキスタン関連情報など、様々な記事を書いています。興味がある方はぜひそちらもご覧下さいませ。それでは!