中央アジアのリーダー的存在であるカザフスタンは、日本の約7倍という広大な領土を持つ世界最大の内陸国です。豊富な石油、天然資源を背景に経済成長を続け、最新のデータでは1人当たりGDPが周辺諸国を凌駕しています。多民族が共生する文化を持ち、近年はデジタル拠点化を推進するカザフスタン。どんな国なのか、見てみましょう。
カザフスタンってどんな国?
まず、カザフスタンがどんな国なのかについてみていきましょう。正式名称はカザフスタン共和国で中央アジアに位置する共和制国家です。西と北にはロシア、東に中華人民共和国、南にはキルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタンと国境を接する内陸国で、南西には世界最大の湖であるカスピ海があります。中央アジアのリーダー的存在であり、広大な国土と多様な文化を持つ共和制国家です。
どんな国?国土について
面積は272万4,900平方キロメートル(日本の約7倍、世界第9位)。
西・北をロシア、東を中国、南をキルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタンと接する世界最大の内陸国です。南西には世界最大の湖、カスピ海が広がっており、 国土の大部分は広大なステップ(草原)や砂漠ですが、南東部には天山山脈の美しい高山地帯が連なります。
人口について
人口は2,100万人(2026年1月推計)で2021年の約1,900万人から順調に増加しており、出生率の高さと経済成長が背景にあります。
どんな国?首都と民族構成や言語、宗教など
民族構成はカザフ系が増加傾向にあり、より自国文化を重視する「新カザフスタン」への移行が進んでいます。
| 項目 | 内容・構成比 |
| 民族構成 | カザフ系(71.3%)、ロシア系(14.6%)、ウズベク系(3.3%)、ウクライナ系(1.8%)、ウイグル系(1.5%)、ドイツ系(1.1%)、タタール系(1.1%)など。 |
| 言語 | 国語はカザフ語。ロシア語も公用語(民族間共通語)として広く使用されています。近年はカザフ語のラテン文字化など、独自の言語アイデンティティ強化が進んでいます。 |
| 宗教 | イスラム教(約69.3%)、キリスト教(主にロシア正教:約17.2%)、無宗教(約2.3%)など。伝統的に世俗的で穏健な信仰スタイルが特徴です。 |
どんな国?カザフスタンの歴史

カザフスタンの領土には、歴史的に遊牧民や帝国が往来し、興亡を重ねました。古代には遊牧民が住み、ペルシアのアケメネス朝が現在の国土の南部にまで進出してきた。13世紀にはチンギス・ハーン率いるモンゴル帝国に征服された。18世紀にはロシア帝国がカザフ草原に進出し、19世紀半ばには名目上カザフスタン全土をロシア帝国の一部として支配する様になった。
それからカザフスタンの歴史は、激動のソ連時代を経て、ナザルバエフ氏による長期政権、そして2022年の政変以降、カザフスタンは「ナザルバエフ体制からの脱却」と「民主化・近代化への舵切り」を急ピッチで進めています。
歴史年表
| 年代 | 区分 | 出来事・歴史的背景 |
| 1920年 | ソ連時代 | カザフ(キルギス)自治ソビエト社会主義共和国成立。当初の首都はオレンブルグ。 |
| 1929年 | 〃 | 首都を南部のアルマティ(アルマ・アタ)へ移転。 |
| 1936年 | 〃 | ソ連を構成する「カザフ・ソビエト社会主義共和国」に昇格。 |
| 1990年 | 独立期 | ナザルバエフが大統領に就任。長期政権の幕開け。 |
| 1991年 | 〃 | 国名をカザフスタン共和国に変更。ソ連崩壊に伴い独立を宣言。 |
| 1997年 | 〃 | 首都をアルマティからアスタナへ移転。 |
| 2019年 | 政権交代 | ナザルバエフ氏が辞任。トカエフ上院議員が大統領に就任。首都をヌルスルタンへ改称。 |
| 2022年1月 | 転換点 | 燃料高騰デモが暴動化(血の一月事件)。ナザルバエフ体制が完全に終焉。 |
| 2022年〜 | 新体制 | 首都名をアスタナに再変更。大統領任期を「7年1期のみ」とする憲法改正を実施。 |
| 2024年10月 | 重要決断 | 原子力発電所建設の是非を問う国民投票を実施。約71%の賛成で建設を決定。 |
| 2025年 | 現代 | トカエフ大統領がロシア・中国を相次いで訪問。経済・エネルギー協力を深化。 |
| 2026年1月 | 最新 | 大規模な税制改革が施行。付加価値税(VAT)の見直しや、2029年までの経済規模倍増に向けた新経済政策が本格始動。 |
どんな国?国際関係
2026年1月現在のカザフスタンは、ロシアへのエネルギー依存や中国との経済連携を維持しつつも、日本とカザフスタンは現在、大国間の仲介役を担う「中等大国(Middle Power)」としての地位を確立しています。
世界的立場
CICA(アジア信頼醸成措置会議)の変革を主導し、2026年には「地域環境サミット」の開催を予定。また、国連において「2026年を国際ボランティア年」とする決議を採択させるなど、環境・人道分野でのリーダーシップを発揮しています。また、非核化の歴史的経験を活かし、アスタナでの核軍縮交渉の再開を提唱。OSCE(欧州安全保障協力機構)や国連安保理での経験を土台に、多角外交をさらに深化させています。
多くの国境を接しており、また旧ソ連の構成国でもあったカザフスタンは政治、経済の両面でロシアと良好な関係維持を重視している。ロシアを中心とするCIS関連の国際機関(ユーラシア経済同盟、集団安全保障条約機構)に幅広く参加している。
ロシアとの関係性
2026年現在のカザフスタンとロシアの関係は、エネルギーや物流における不可欠な相互依存を継続しつつも、ウクライナ情勢下で中立的な立場を堅持し、欧米や日本、中国との連携を強めることでロシア一極集中を回避する「戦略的かつ自律的な多角外交」を貫いています。
中国との関係性
2026年1月現在のカザフスタンと中国の関係は、「一帯一路」構想を通じた巨大なインフラ投資やデジタル・原子力分野での協力深化により経済的依存度を急速に高める一方で、市民レベルでは中国の影響力拡大への警戒心も根強く、政府間では「恒久的な包括的戦略的パートナーシップ」を掲げつつ慎重に国内の反中感情とバランスを取る局面へと移行しています。
米国、EUとの関係性
2026年現在のカザフスタンは、欧州連合(EU)を最大の投資・貿易パートナーとして「拡張パートナーシップ協力協定」に基づきグリーン経済や物流ハブ化で深く連携し、米国とは「C5+1」枠組みを通じたエネルギー安全保障や重要鉱物の供給網構築で戦略的関与を強めています。
中央アジア最大の防衛力
軍の近代化が進み、中央アジアで最も高い軍事能力を維持しています(Global Firepower 2026年版で世界58位)。バイコヌール宇宙基地やサルイシャガン試験場などにロシア軍の拠点が存続していますが、2022年のデモ鎮圧(CSTO軍派遣)以降、自国軍の自立性と装備の多角化(トルコ製ドローン導入など)を急いでいます。
総兵力は約110,000人(現役兵)に加え、予備役や国家警備隊などの準軍事組織を含めると全体で約30万人規模の動員能力を持ちます。
産業・経済指標(2025-2026最新推計値)
資源依存からの脱却を図る「新経済政策」により、経済規模は拡大傾向にあります。
主要産業は石油・ガス(GDPの約3割、国家歳入の約6割)が依然として柱ですが、ウラン生産量世界1位としての地位や、EV向けのリチウム・希少金属(レアメタル)の採掘、さらにはIT・物流ハブ化が新たな成長エンジンとなっています。
GDP指標:名目GDP: 約3、197億ドル(2026年予測)
一人当たりGDP: 約15,500ドル(2026年予測値)。中央アジア・独立国家共同体(CIS)諸国の中でトップクラスであり、ロシアや中国の数値を上回る水準に達しています。
貿易・経済パートナー
中国のシェアが拡大し、ロシアとの順位が入れ替わっています。
主要貿易相手国
輸出先::イタリア(石油輸出の最大拠点)、中国(急拡大中)、ロシア、オランダ、フランス。
輸入元:中国(約32%で1位)、ロシア(約27%)、韓国、ドイツ、米国。
主要貿易品目
輸出:原油・石油製品(約53%)、精製銅、ウラン、鉄鋼、小麦(農業)。
輸入:自動車・部品、スマートフォン(電話機)、医薬品、機械設備。
日本とカザフスタンの関係性
2026年1月現在の日本とカザフスタンの関係は、「戦略的パートナーシップ」の深化と「物流・交通の飛躍的改善」という、歴史的な大きな節目を迎えています。
「日本・カザフスタン直行便」が2026年春に就航へ
長年の懸案であった両国間の直行便が、いよいよ現実のものとなります。カザフスタンのフラッグキャリアであるエア・アスタナが、2026年3月に「成田〜アルマトイ線」を開設する見通しです。これまではウズベキスタンや韓国を経由する必要がありましたが、直行便の誕生により、ビジネス出張や観光(アスタナの未来都市巡りや大自然)が飛躍的に便利になります。どんな国なのかを日本人が知る機会が増えるでしょう。
「中央アジア+日本」対話・首脳会合による外交強化
2025年12月、日本で初となる「中央アジア+日本」首脳会合が開催されました。2025年12月18日、日本の高市早苗総理大臣(当時)とトカエフ大統領が会談し、航空協定の締結に向けた協議開始や、経済・文化分野での連携拡大で一致しました。ロシアや中国に依存しない「第三の選択肢」として、カザフスタンは日本を極めて重要なパートナーと位置づけています。
まとめ
以上、カザフスタンがどんな国なのか?について書かせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?カザフスタンの情報をまとめてみましたが、日本とカザフスタンとの関わりは以前は少なかったですが、最近では交流が出来てきており、カザフスタンがどんな国なのかと言うことに興味を持つ人が増えて、日本での知名度も上がっていくのかなと思っています。私としてはもっと日本人や日本企業の方々に中央アジアのことを知って頂き興味を持っていただける様に努力して行きたいと思います。カザフスタンの治安について気になる方はこちらから治安に関する記事をご覧下さいませ。また、ビジネスツアーなどに興味がある方はいつでもお気軽に問い合わせフォームからご連絡下さいませ。




















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