カザフスタンってどんな国?
まず、カザフスタンどんな国なのかについてみていきましょう。正式名称はカザフスタン共和国で中央アジアに位置する共和制国家です。西と北にはロシア、東に中華人民共和国、南にはキルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタンと国境を接する内陸国で、南西には世界最大の湖であるカスピ海があります。
どんな国?国土について
カザフスタンは非常に大きな国土を持っており、272万4900平方メートルです。これは日本のおよそ7倍の面積に相当し、世界で第9位の広さです。
どんな国?人口について
国連人口基金の2021年の情報で人口はおよそ1900万人。多くの国土は砂漠などでステップ地帯が多くを占めています。
どんな国?首都と民族構成や言語、宗教など
首都はヌルスルタン。
民族はカザフスタン国民経済省統計委員会の2019年のデータで、カザフ系の67.98%を筆頭に、ロシア系19.32%、ウズベク系3.21%、ウクライナ系1.47%、ウイグル系1.47%、タタール系1.10%、ドイツ系0.97%、その他4.5%となっています。言語はカザフ語が国語で公用語はロシア語です。
宗教については、2009年のカザフスタン国勢調査でイスラム教70.2%、ロシア正教19.32%、仏教0.1%、無宗教2.8%、無回答0.5%となっており、イスラム教が大半を占めています。
どんな国?カザフスタンの歴史
カザフスタンの領土には、歴史的に遊牧民や帝国が往来し、興亡を重ねました。古代には遊牧民が住み、ペルシアのアケメネス朝が現在の国土の南部にまで進出してきた。13世紀にはチンギス・ハーン率いるモンゴル帝国に征服された。18世紀にはロシア帝国がカザフ草原に進出し、19世紀半ばには名目上カザフスタン全土をロシア帝国の一部として支配する様になった。
皆さんがよく知る名前などが出てくる1900年代ごろからの主な歴史を見ると
1920年に『カザフ(キルギス)自治ソビエト社会主義共和国』成立(首都オレンブルグ)
1929年に首都をアルマティ(アルマ・アタ)に移転
1936年にソ連邦を構成するカザフ・ソビエト社会主義共和国に昇格
1990年にナザルバエフ大統領就任
1991年に国名を『カザフスタン共和国』に変更
同年共和国独立宣言でソ連から独立
1997年に首都をアルマティからアスタナ(現ヌルスルタン)に移転
2019年にナザルバエフ大統領が辞任。1990年の就任から5度に渡る大統領選挙で当選し、長きに渡り大統領を務めた。
2019年にトカエフ上院議員が大統領に就任
2022年に燃料の値上がりに抗議する住民らの反政府デモが国内各地の都市で発生して多くの死傷者を出し、デモの沈静化策として国家安全保障会議議長として権力を握っていたナザルバエフが解任され、30年あまりにわたって続いたナザルバエフ体制が終焉を迎えた。
上記の様な歴史をたどりました。こうした歴史的経緯や民族構成、地政学的位置関係から、ロシアや中国、西側諸国やトルコとも良好な関係を重視している。
どんな国?国際関係
ロシアとの関係性の重視
多くの国境を接しており、また旧ソ連の構成国でもあったカザフスタンは政治、経済の両面でロシアと良好な関係維持を重視している。ロシアを中心とするCIS関連の国際機関(ユーラシア経済同盟、集団安全保障条約機構)に幅広く参加している。
中国との関係性
中国との関係性も重視しており、上海協力機構(SCO)に2001年の創設時から参加している。
米国、EU、日本との関係性
米国、EU、日本とも良好な関係を維持している。
世界的立場
アジア信頼醸成措置会議(CICA)を主導するなど独自の国際的イニシアティブも発揮している。2010年にはOSCE(欧州安全保障協力機構)の議長国を務め、2017年~2018年には国際安保理非常任理事国を務めた。
軍事力
総兵力39,000人(陸軍20,000人、海軍3,000人、空軍12,000人、その他4,000人)、準兵力31,500人であり、国内にロシア軍が数か所(バイコヌール、サルイシャガン等)に少数が駐留している。また、過去にカザフスタンに配備されていた戦略核兵器はロシアに移送済み。
産業
カザフスタンはカザフスタンは石油、天然ガス、石炭、ウラン、銅、鉛、亜鉛などの資源に恵まれた国で、主な産業は石油、天然ガス、鉱業、農業、冶金、金属加工でGDPの約1割(石油・ガスは3割弱)を占め、石油、ガスを含む天然資源は、工業生産・輸出・国家歳入の約6割を支えている。
GHPは1,712億ドル(2020年:IMF)【参考:1,817億ドル(2019年、IMF)】で一人当たりのGDPは9,071ドル(2020年:IMF推計値)【参考:9,750ドル(2019年、IMF)】です。
主要貿易品目
(1)輸出エネルギー・鉱物資源、金属・金属製品、食料品、化学製品、自動車
(2)輸入自動車、化学製品、金属・金属製品、食料品、エネルギー・鉱物資源
(2019年:カザフスタン国民経済省統計委員会)
主要貿易相手国
(1)輸出中国、イタリア、ロシア、オランダ、ウズベキスタン
(2)輸入ロシア、中国、韓国、ドイツ、米国
(2020年:カザフスタン国民経済省統計委員会)
日本とカザフスタンの関係性
日本の援助実績
(1)有償資金協力 約951.00億円 (2019年度までの累計)
(2)無償資金協力 約64.14億円 (2019年度までの累計)
(3)技術協力 約136.22億円 (2019年度までの累計)
政治関係
(1)国家承認日 1991年12月28日
(2)外交関係開設日 1992年1月26日
(3)日本大使館開館 1993年1月20日
2001年1月1日 アスタナ出張駐在官事務所開設
2005年1月1日 大使館をアルマティからアスタナに移転するとともに、アルマティに出張駐在官事務所を開設。
2014年1月1日 在アルマティ出張駐在官事務所閉鎖。
(4)在日カザフスタン大使館開設 1996年2月22日
まとめ
以上、カザフスタンがどんな国なのか?について書かせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?カザフスタンの情報をまとめてみましたが、日本と政治的な大きな関わりは少なく、また、民間での交流も非常に少ないです。カザフスタンは石油があり、中央アジアでは現在のところ最も裕福で給与水準も高い国ではありますが、日本企業の進出はあまりありません。旧ソ連の国全体に言えることですが、アメリカや西側諸国の影響なのでしょうか。日本人にとってはリスクが高いという考えや、ハードルが高いと考えられているのでしょう。ハードルが高いというのは文化も違うし、仕事に対する態度も違うので分かりますが、リスクという意味では、日本が大好きな他のあの国とかの方がよほどリスクが高いと私は思いますが、私としてはもっと日本人や日本企業の方々に中央アジアのことを知って頂き興味を持っていただける様に努力して行きたいと思います。カザフスタンの治安について気になる方はこちらから治安に関する記事をご覧下さいませ。また、ビジネスツアーなどに興味がある方はいつでもお気軽に問い合わせフォームからご連絡下さいませ。
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