カザフスタンとロシアの関係性について
私のビジネスパートナーが、ナザルバエフ初代大統領の右腕で、元首都であるアルマティ市長を務め、旧ソ連でも有名だった今は亡き政治家の息子のため政治に関することや、ロシアとの関係性について話す機会が多くある。しかし、彼もカザフスタンのことを私に悪く思ってほしくないというフィルターがかかっている可能性もおおいにあるため一つの視点だと考えてもらいたい。当然カザフスタン国内の政治家の中にも派閥があるでしょうから、これはあくまで私のビジネスパートナーの周囲の政治家や財界人の話であることを忘れないでほしい。まずは大きな流れとして、カザフスタンとしてはロシアと仲が良いとか、言いなりであると言ったイメージを避けたいと考えているらしい。だから目に見えてロシアと我々の間には壁がありますよと国際社会にはアピールしているが、面と向かって非難するのはさすがに難しいと言っていました。
※画像はロシアのプーチン大統領(左)とカザフスタンのトカエフ大統領=2019年4月、モスクワ(AFP時事)
ナザルバエフ初代カザフスタン共和国大統領
1991年12月16日から2019年3月20日までカザフスタン共和国の大統領を務めた人物で、建国からつい最近まで大統領を務めた人物です。彼の話に関しては言えない話もありますが、まさにカザフスタンで最も影響力がある人物であることは確実ですが、独裁に近い政治を行っていたことは誰もが知るところです。ビジネスにおいても過去には彼に近い人物が大きな利権を得たり、今でも彼の家族だけが〇〇しているなんて話も聞きます。カザフスタンを語る上で彼の存在は欠かせません。何せ彼のフルネームはヌルスルタン・アビシェヴィチ・ナザルバエフと言います。元首都アルマティからアスタナに首都を移した後に、首都の名前をアスタナからヌスルスタンに改名しました。首都の名前を自分の名前にしたんですね。まあ話始めるとキリがないほどいろんなことをした人物ですが、中国とロシア両方に取り入る外交を行ってきていました。それがここに来て彼の影響力が小さくなってきているのかと思う状況が生まれてきています。
ロシアと距離を置く
今大きな問題となっているのが、カザフスタンはロシアに製油のパイプラインを通してロシアを経由して石油の販売を行っていました。そこで今回のロシアによるウクライナ侵攻がカザフスタンに大打撃となりました。カザフスタン産の石油もロシア産としてみなされてしまって、購入してもらえなくなるだけではなく、売れても買いたたかれるという状況。そこで今カザフスタンは産出した石油をカスピ海を通って別の国経由で石油の輸送ルートを確保しようと必死に動いています。カザフスタンは国家を上げた新たな油田開発計画も先に見据えています。何としてもこの状況を打破したい。そして、コロナによる打撃の後に稼ぎ頭の石油に問題が発生。そのうえ西側諸国からの制裁になんて耐えられるわけがないのです。そこでロシアと距離を取っているんですね。しかし、数年前にはナザルバエフが〇〇したがってるからとかいつも聞いていましたが、最近聞きません。その為カザフスタンは独裁ではなく、市民の意見を参考にしたり民主的な決定が下されるようになっているのかもしれませんね。
一つの結論
あくまで私のビジネスパートナーから得られる情報を元にしての話となりますが、カザフスタンはロシアと距離を置きたがっています。おまけで、中国人のビザを出すことも多くの政治家が嫌がっており、中国から投資を受けるということに対しても嫌悪感を示す人が増えているそうです。私の友人に一人中国人がいるので彼にそんな話は出来ないなと思いながらいつも聞いています。要するに、今カザフスタンではまだまだ抜けきれていませんが、中国ロシアとの深い関係性を築いてきたナザルバエフ政権とは違い、西側諸国に寄り添いたい勢力の力が強まってきていると感じます。しかし、それはそう簡単なことではありませんのですぐに一気に物事が変わるとは思えませんが。これからカザフスタンでビジネスを考える際にはその辺りのことを念頭において進めていきたいと思っています。
当然、カザフスタンも私は強い結びつきがある地であり、ロシアのウクライナ侵攻が発生した際には、中央アジア各国の状況にも目を光らせています。ビジネスをする上でロシアの起こした戦争に巻き込まれることになると少なからず影響があるからです。現在のところ、ロシアに組するという国は私のメインの活動国ではありませんでしたので問題は無いと考えています。
以上、私の一意見でございます。ここまで読んでいただきありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
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